学修要項(シラバス)
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講義科目(2)医学専攻博士課程

学群名:生体機能医科学群

科目名:神経・行動生物学

英文名
Behavioral Neurobiology
科目概要
博士課程 生体機能医科学群 2単位 講義
開講期
2023年度 前期
科目責任者
浜﨑浩子
担当者
浜﨑浩子・大久保直・中森智啓
授業の目的
行動は、知覚、運動、思考、学習、記憶等と密接に関連した重要な生命活動の1つである。行動の発現が脳によりどのように制御されるのかを理解し、神経疾患や精神疾患との関連を考えることは重要である。中枢神経系がかかわるいくつかの行動の発現については、脳の特定の神経回路の関与が明らかになっている。本講義では、行動の発現メカニズムを理解するために、行動発現を支える神経系の成り立ちや神経系を構成する細胞の働きを学習し、中枢神経系で情報が処理されて行動が発現する機構や最近の知見について学ぶ。また、これらの行動発現の基盤となる神経系に関する知見がどのように得られたのか、研究の進め方や手法についても理解し、各自の研究に応用する能力を習得することを目的とする。
教育内容
神経系の成り立ちと神経系を構成する細胞の機能と情報伝達の仕組みの概略を説明し、いくつかの行動の発現メカニズムを解説する。さらに、行動発現を支える神経系を研究するために重要となる研究方法やその考え方について説明する。また、講義内容に関連した最近のトピックも紹介する。
教育方法
パワーポイントを活用しながら講義を進めるほか、関連する英語論文や著作等の訳や要約、ディスカッション、質疑応答を行う。
授業内容(シラバス)
項 目
内 容
担当者
1
神経系の概要(1)
神経系の基本的な特徴と構造、発生
浜﨑浩子
2
神経系の概要(2)
神経系を構成する神経細胞とグリア細胞
浜﨑浩子
3
神経系の概要(3)
静止電位と活動電位
浜﨑浩子
4
神経系の概要(4)
神経系における情報伝達
浜﨑浩子
5
感覚と脳
感覚系の制御と脳
浜﨑浩子
6
摂食行動と脳
摂食調節中枢と末梢組織による摂食調節機構
浜﨑浩子
7
神経科学の方法(1)
組織学的、薬理学的、生理学的手法
浜﨑浩子
8
学習・記憶行動と脳(1)
学習・記憶行動を制御する哺乳類の海馬・扁桃体
浜﨑浩子
9
学習・記憶行動と脳(2)
幼少期の学習・記憶行動の特徴
中森智啓
10
学習・記憶行動と脳(3)
幼少期の学習・記憶行動に関わる分子とその働き
中森智啓
11
神経科学の方法(2)
生殖工学による遺伝子改変動物の作成法
大久保直
12
神経科学の方法(3)
遺伝子改変動物の神経・行動解析への応用 
大久保直
13
情動と脳
情動を制御する脳の領域とその発達 
浜﨑浩子
14
社会性行動と脳
社会性行動の雌雄差と脳の性分化 
浜﨑浩子
15
まとめと総合討論
授業内容の振り返りと討論
浜﨑浩子
到達目標
1.神経系の基本的なつくりや構成細胞の基本的な構造・機能を説明できる。
2.これまでに知られている行動の発現メカニズムのいくつかについて、その内容を説明できる。
3.神経科学の研究方法を理解し、その活用例を説明できる。
4.英語の論文の要点を読み取ることができる。
評価方法
授業でのディスカッション参加への積極性(50%)、英語論文や著作の訳や要約の内容(50%)
準備学習
(予習・復習等)
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:講義内で指示した事項について参考書を読んだり調べるなどして、予備知識を得ておく。
復習:講義内容を振り返り、到達目標に示した事項を達成できるようにする。
その他注意等
2コマずつ行う。
教科書
資料を適宜配布する。
参考書
ベアー コノーズ パラディーソ 神経科学―脳の探求 西村書店 
カールソン神経科学テキスト 脳と行動 丸善出版
カンデル神経科学 メディカル・サイエンス・インターナショナル