学修要項(シラバス)
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講義科目(2)医学専攻博士課程

学群名:医療人間科学群

科目名:発達精神医学

英文名
Developmental Psychiatry
科目概要
博士課程 医療人間科学群 2単位 講義
開講期
2024年度以降開講予定
科目責任者
水島 栄
担当者
水島 栄
授業の目的
人のこころの発達には、子どもの個性や特性、子どもを取り巻く心理社会的環境、その子どもが経験したトラウマティックな出来事などが影響を与えている。子どもの発達に関わる臨床心理学領域の研究に関わる者として、人の認知・情動・行動の発達とそれに関わる病理についてBiopsychosocial的な視点と脳科学的視点から子どもの発達を理解し、それぞれの専門性を生かして研究や臨床活動するために必要な基本的知識を得ることを目的する。
教育内容
子どもの発達理論、発達精神病理とそれに対する医学的治療や心理支援について、具体的な臨床例も含めて講義する。特に神経発達症群と児童虐待を含むマルトリートメントを経験した子どもへの対応、トラウマを抱えた子どもへのトラウマフォーカスト認知行動療法やその他の心理療法、子育て困難家庭の支援としてペアレントトレーニングなどについての知識を提供する。
教育方法
主にパワーポイントと配布資料を用いて講義を行うが、ロールプレイや実際にワーク行う場合には対面に切り替える。基本講義は、Onlineで行う予定である。毎回テーマについてディスカッションを行う。
授業内容(シラバス)
項 目
内 容
担当者
1
発達精神医学の概略
子どもの発達に関して説明する
水島 栄
2
小児期の発達と評価
発達のマイルストーンとその課題
水島 栄
3
児童・思春期の発達と評価1
神経発達症・診断
水島 栄
4
児童・思春期の発達と評価2
神経発達症・評価
水島 栄
5
児童・思春期の発達と評価3
神経発達症・介入
水島 栄
6
心理社会的諸問題1
愛着形成と心的外傷
水島 栄
7
心理社会的諸問題2
虐待とチャイルドマルトリートメント
水島 栄
8
神経発達症考察1
自閉スペクトラム症
水島 栄
9
神経発達症考察2
注意欠如多動症・限局性学習障害
水島 栄
10
神経発達症考察3
ゲーム依存・摂食障害など
水島 栄
11
子どもへの心理支援・介入1
遊びを用いたアプローチ
水島 栄
12
子どもへの心理支援・介入2
認知を扱うアプローチ
水島 栄
13
保護者への心理支援・介入1
子育てスキル・ペアレントトレーニング
水島 栄
14
保護者への心理支援・介入2
行動学に基づいた親支援
水島 栄
15
発達精神病理学の課題
発達精神病理における臨床的課題
水島 栄
到達目標
発達精神医学の診断や「見立て」についての考え方を理解し、児童思春期の心理発達についての基本的な知識を身につけ、その概要を説明できることと、神経発達症群や児童・思春期特有の精神疾患について、その概念、診断・アセスメントの方法、心理療法や心理的ケアの方法についての知識を得て、その概要を説明できることが到達目標である。 
評価方法
レポートの評価(50%)と講義時の質疑・討論内容(50%)で総合的に評価する。レポートにおいては、それぞれの講義内容に基づきながら、自分の専門の立場から考えたことを述べていることが評価基準となる。質疑や討論内容は、多様な視点から、自分の経験に結びつける形で考えているかが評価基準になる。
準備学習
(予習・復習等)
予習では、各回の内容について、事前に指定された論文をしっかり読み込み、疑問点を整理しておくことが求められる。復習では、講義内容について振り返り、さらに追加情報として自ら気になる部分を文献等で調べておくことが求められる。準備学習(予習・復習)の時間は、各回について約4時間が必要と考えられる。(授業時間外の学習時間60時間)
その他注意等
講義について分からないことがあればメールでアポイントメントを取って相談して頂きたい。
教科書
指定なし、毎回配布資料を用いる
参考書
参考文献リストを事前に配布するので、その中から適宜テーマに沿って必要なものを選択して読んでおくこと