学修要項(シラバス)
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講義科目(1)医科学専攻修士課程

学群名:生体機能医科学群

科目名:細胞免疫学

英文名
Cellular Immunology
科目概要
修士課程 生体機能医科学群 2単位
開講期
2021年度 前期
科目責任者
岩渕和也
担当者
岩渕和也・江島耕二・竹内恵美子・佐藤 雅
授業の目的
T細胞の分化・抗原認識機構、エフェクター機能の発現、自己寛容誘導・維持機構、自然リンパ球の分化と機能および生活習慣病との関わり、免疫疾患における病態解析の進展、感染症における宿主と病原体の相互作用などについてワンブロック3コマの集中講義形式で短期間にその概略を学ぶ。
教育内容
T細胞の機能発現に重要な役割を果たす樹状細胞による抗原提示やT細胞活性化機構、胸腺におけるT細胞分化とそれを支持する胸腺皮質・髄質上皮細胞の機能、T細胞亜群のエフェクター機能とそのマスター制御因子との関連について、#1〜3の講義で説明する。また、免疫学における重要なトピックである寛容誘導とその維持機構とその破綻としての自己免疫疾患については#4〜6にて、最近注目されている遺伝子再構成による受容体を持たない自然リンパ球(ILCとNK、LTi)、T細胞抗原受容体を発現するNKT・MAIT・γδなどの自然Tリンパ球の分化と機能、特にNKT細胞と生活習慣病や腸内細菌との関連などについて#7〜9で議論する。さらに、患者数が増えている各種アレルギー疾患、免疫機能を最も端的に示す様々な原発性免疫不全症候群、2018年ノーベル賞受賞対象となった免疫チェックポイントインヒビターの使用で新たな局面を迎えた腫瘍免疫、などについては#10〜12で、免疫の存在理由たる感染に対する宿主の応答と病原体とのせめぎ合いについて基礎的事項から最近のトピックスまでを#13〜15で取り上げる。
教育方法
毎回、最新の原著論文をハンドアウトとして準備し、対話形式で行う。受講者は、輪番制で1度は情報提供側としてプレゼンテーションを行って、研究手法・結果とその解釈について説明する。担当教員は補足の説明をして、その回をまとめる。課題は担当回のプレゼンテーションとハンドアウト作成で、その出来を評価に用いる。担当回以外では、講義への参加(データの解釈・質問など)によって決める。
授業内容(シラバス)
項 目
内 容
担当者
1
T細胞免疫応答の基礎と展開(1)
樹状細胞のサブセットと機能
江島耕二 
2
T細胞免疫応答の基礎と展開(2)
T細胞の分化・成熟における胸腺上皮細胞の役割について
江島耕二
3
T細胞免疫応答の基礎と展開(3)
エフェクターT細胞とマスター制御分子
江島耕二
4
自己寛容誘導とその維持機構(1)
中枢性・末梢性寛容誘導機構
竹内恵美子
5
自己寛容誘導とその維持機構(2)
調節性T細胞の機能
竹内恵美子
6
自己寛容誘導とその維持機構(3)
寛容維持機構の破綻と自己免疫疾患
竹内恵美子
7
自然リンパ球の分化と機能の生理・病理(1)
自然リンパ球の分化と機能
佐藤 雅
8
自然リンパ球の分化と機能の生理・病理(2)
自然リンパ球と生活習慣病
佐藤 雅
9
自然リンパ球の分化と機能の生理・病理(3)
自然リンパ球と腸内細菌叢
佐藤 雅
10
免疫疾患の病態とその解析(1)
アレルギーの4型
岩渕和也
11
免疫疾患の病態とその解析(2)
原発性免疫不全症候群
岩渕和也
12
免疫疾患の病態とその解析(3)
腫瘍免疫学とその新展開
岩渕和也
13
感染免疫学(1)
感染免疫学の基礎、自然免疫応答・獲得免疫応答とその連携
岩渕和也
14
感染免疫学(2)
感染性微生物の宿主免疫応答に対する妨害工作
岩渕和也
15
感染免疫学(3)
感染免疫学の最近の話題
岩渕和也
到達目標
講義を通して、自然免疫と獲得免疫、免疫担当細胞の分化と機能、遺伝子再構成による抗原受容体の生成、パターン認識受容体とリガンド認識、抗原の細胞内トラフィックと提示様式、抗原提示細胞とT細胞の抗原認識、細胞内シグナル伝達、サイトカイン、細胞間相互作用、ヘルパーT細胞の分化と免疫偏倚、キラーT細胞の機能発現調節機構、免疫寛容の誘導と維持機構、疾患と免疫病態、感染免疫などに関する用語を理解し、正しく使用出来る。
評価方法
担当回におけるプレゼンテーションの出来とハンドアウトの完成度(70%)、授業部分における問題提起に対する参加と応答内容(20%)、コミュニケーションペーパー(10%)を総合的に評価する。
準備学習
(予習・復習等)
学部において免疫学を履修していない学生は入門的な参考書(例えば『免疫−からだを護る不思議なしくみ』矢田純一(東京化学同人)・「基礎免疫学」アッバス・リックマン・ピレ(エルゼビア)など)をざっと読んでから参加することを勧める(既習者で2時間、未習では10時間〜)。また、事前に論文が渡されたら、担当回では論文読解に10時間、引用された文献に当たるのに10時間、内容の解説(ハンドアウト)作成に10時間がかけるとこれだけで30時間が必要である。また担当でない回でも論文をざっと読んで理解するために2時間の学習が授業時間外の準備に(計60時間〜)が必要となる。
その他注意等
論文は講義のときに次回分(3連の講義用に)に渡す予定であるが、最初の講義用には研究科教務係を通して配布する予定である。コロナ感染症の進展によってはZoom開催になる可能性もある。
教科書
プリント(講義資料・論文等)配布
参考書
Immunobiology 9th Ed. Kenneth M. Murphy & Casey Weaver (Garland Science)
医系 免疫学 第15版 矢田純一著 (中外医学社)