講義科目(1)医科学専攻修士課程
学群名:生体構造医科学群
科目名:形態形成機構学
英文名
Morphogenesis
科目概要
修士課程 生体構造医科学群 2単位 講義
開講期
2023年度 後期
科目責任者
門谷裕一
担当者
門谷裕一・小畑秀一・林 徹
授業の目的
多細胞体の組織形成は、組織を構成する各細胞が増殖・消失・分化・移動・変形し、それらが統合されてより複雑な構造(=組織・器官)が形成される過程である。本科目では各担当者の専門領域からこれらの現象を読み解くことを目的とする。
教育内容
上皮系組織の形態形成に焦点を絞り、組織・器官構築の過程とそこで働く細胞機構を講義する。同時に、実験発生学、細胞生物学等の実験手法、殊にイメージングや顕微鏡法など、を原理にさかのぼって解説する。
教育方法
スライド(パワーポイント等)を用いた講義形式で行う。一部ディスカッション形式。
授業内容(シラバス)
回
項 目
内 容
担当者
1
上皮系細胞の構造(1)
膜系
林 徹
2
上皮系細胞の構造(2)
細胞骨格
林 徹
3
上皮系細胞の構造(3)、 第1回から3回までのまとめ
上皮・非上皮、まとめ
林 徹
4
上皮系組織の形態形成 (1)
形態形成研究の潮流
門谷裕一
5
上皮系組織の形態形成 (2)
外分泌腺の組織構造形成
門谷裕一
6
上皮系組織の形態形成 (3)、 第4回から6回までのまとめ
間葉-上皮転換と上皮-間葉転換、まとめ
門谷裕一
7
細胞外マトリックス
細胞外マトリックスの成分
門谷裕一
8
細胞外マトリックスの機能
細胞外マトリックスの受容体
門谷裕一
9
細胞外マトリックスと上皮形態形成、 第7回から9回までのまと
形づくりと細胞外マトリックス、まとめ
門谷裕一
10
形態学の方法 (1)
光学顕微鏡の結像原理と使い方(波の重ね合わせ、回折、分解能、被写界深度)
小畑秀一
11
形態学の方法 (2)
様々な光学顕微鏡(蛍光、位相差、微分干渉、偏光、暗視野、共焦点顕微鏡、ビデオ強化型顕微鏡)
小畑秀一
12
形態学の方法 (3)、 第10回から12回までのまとめ
形態ビッグデータの収集法
(タイムラプス、立体再構築、stitching)、まとめ
(タイムラプス、立体再構築、stitching)、まとめ
小畑秀一
13
形態形成運動 (1)
原腸陥入(3つの体軸、原口、脊索)
小畑秀一
14
形態形成運動 (2)
骨の形態形成と再生(軟骨内骨化、膜内骨化)
小畑秀一
15
形態形成運動 (3)、第13回から15回のまとめ
四肢の形態形成と再生
(3つの体軸、肢芽、成長因子)、まとめ
(3つの体軸、肢芽、成長因子)、まとめ
小畑秀一
到達目標
1. 多細胞体の構成単位としての細胞の構造を説明できる。
2. 多細胞体による組織構造形成機構を例を挙げて説明できる。
3. 各種光学顕微鏡法の原理を説明できる。
2. 多細胞体による組織構造形成機構を例を挙げて説明できる。
3. 各種光学顕微鏡法の原理を説明できる。
評価方法
各まとめは担当講師とのディスカッション形式で進行するので、その際の発言等の積極性、理解
度を総合的に評価する(100%)。毎回のまとめの最後にフィードバックを行う。
度を総合的に評価する(100%)。毎回のまとめの最後にフィードバックを行う。
準備学習
(予習・復習等)
(予習・復習等)
【予習】事前に参考文献などに目を通し、概要や不明な点をまとめておくこと。予習に必要な時間:45時間。 【復習】まとめの際にフィードバックされた内容を再確認する。復習に必要な時間:15時間
その他注意等
特になし
教科書
指定なし
参考書
第1回~3回:Essential細胞生物学 Bruce Alberts他 (著)(南江堂)。第4回~10回、13回~15回:ギルバート発生生物学 Scott F. Gilbert(著)(メディカルサイエンスインターナショナル)。第10回~11回:バイオイメージング(共立出版)。限界を超える顕微鏡(学会出版センター)。フリーソフトで作るバーチャルスライドと3Dモデルの作成法(裳華房)。