学修要項(シラバス)
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講義科目(1)医科学専攻修士課程

学群名:環境医科学群

科目名:環境毒医科学

英文名
Environmental Toxicology
科目概要
修士課程 環境医科学群 2単位 講義
開講期
2023年度 通年
科目責任者
堀口兵剛
担当者
堀口兵剛・王 端生・片桐諒子・豊岡達士・武藤 剛・大森由紀
授業の目的
かつて我が国では環境汚染による重篤な公害病が問題となった。今日では環境改善が進み、環境保全対策も完備してきたが、公害病患者は現存しており、すべて解決したわけではない。また、過去の汚染物質に加え、新たに環境中に放出された化学物質が食物連鎖、生物濃縮などの多様な経路により人体内から検出されており、その健康影響が懸念されている。本特論では、従来の毒性学の基本的な考え方を踏まえ、化学物質の低濃度曝露による生体影響の捉え方、リスク評価、重金属などの代表的な環境汚染物質の健康影響などについて理解を深める。
教育内容
毒性学の歴史、研究方法(疫学、実験など)、基本専門用語、化学物質のリスクの評価、種々の化学物質の毒性発現機序(生殖毒性、遺伝毒性や発がん性、アレルギー、免疫制御など)、食品のリスクアセスメントや栄養素摂取量評価、カドミウムや鉛をはじめとする元素の毒性研究、など。
教育方法
講義、ディスカッション、グループワークなど。オンライン(同時双方向)で授業を実施する。また、ディスカッションやグループワークの内容に対して講義内で総評するなどにより、フィードバックを行う。
授業内容(シラバス)
項 目
内 容
担当者
1
環境毒医科学総論
毒性学の歴史、研究方法、基本専門用語、リスクの評価などについて解説する
堀口兵剛
2
環境毒性学研究の理論と実際(1-1)
環境毒性学の研究についての基本的な考え方と、その実例としてカドミウム毒性の疫学研究について紹介する
堀口兵剛
3
環境毒性学研究の理論と実際(1-2)
環境毒性学の研究についての基本的な考え方と、その実例としてカドミウム毒性の疫学研究について紹介する
堀口兵剛
4
環境毒性学研究の理論と実際(2-1)
環境毒性学の研究についての基本的な考え方と、その実例としてカドミウム毒性の実験研究について紹介する
堀口兵剛
5
環境毒性学研究の理論と実際(2-2)
環境毒性学の研究についての基本的な考え方と、その実例としてカドミウム毒性の実験研究について紹介する
堀口兵剛
6
化学物質の生殖毒性とその評価(1)
生殖毒性について概説する
王 端生
7
化学物質の生殖毒性とその評価(2)
生殖毒性の評価方法について概説する
王 端生
8
食品のリスクアセスメントと栄養の疾病リスク評価(1)
食品のリスクアセスメントや栄養素摂取量評価の概説をする
片桐諒子
9
食品のリスクアセスメントと栄養の疾病リスク評価(2)
食品のリスクアセスメントや栄養素摂取量評価の実際を解説する
片桐諒子
10
化学物質の遺伝毒性について(1)
化学物質の遺伝毒性や発がん性について概説する
豊岡達士
11
化学物質の遺伝毒性について(2)
化学物質の遺伝毒性評価法について最新の知見を交えて紹介する
豊岡達士
12
化学物質等による健康影響
化学物質等による健康影響(アレルギー
等)について解説する
武藤 剛
13
環境と生体の共生機構
環境と生体の共生機構の観点から、免疫制御分子・細胞・ネットワーク(腸内環境)を俯瞰して概説する
武藤 剛
14
鉛等の種々の元素の毒性(1)
「毒」をキーワードに歴史的事件や研究をまじえて、特に鉛をはじめとする元素を中心に紹介する
大森由紀
15
鉛等の種々の元素の毒性(2)
「毒」についてディスカッションやグループワークを行う
大森由紀
到達目標
生活環境、職場環境における生体影響要因の理解とリスク管理の基礎を理解できることを到達目標とする。
1)本学群・特論領域における基礎知識の理解できる。
2)本特論における研究課題の捉え方、考え方を理解できる。
3)本特論の基礎的研究方法を理解し、展開できる。
評価方法
評価はレポート(50%)、授業への積極的な参加(50%)の総合評価とする。提出されたレポートを評価して返却する。
準備学習
(予習・復習等)
環境毒医科学に関連する基礎科目(生理学、生化学、病理学、環境科学等)の復習、予備学修をし、受講準備をすること。授業時間以外の学習時間:60時間。
その他注意等
特になし
教科書
講義資料を配付する
参考書
講義中の参考文献や専門書を紹介する